2019年2月 8日 (金)

手を動かして感じること(箱庭療法へのお誘い)

「なんで箱庭を入れたんですか?」と言われることがあります。

心理士の間でも「箱庭なんてもう時代遅れ」という風に語られることがあります(いえいえ、関西方面ではかなり普及しているそうです)。

前の職場の上司(別の学派の方でした)にも、そう言われましたっけ。

以前は教育研究所(教育委員会の相談室)にはプレイルームがあって、そこに箱庭があるところも沢山あったようです。学会での報告でも、箱庭の出てくるケースはかなりありました。

でも、最近はあまり聞きません。
多分、教育相談の態勢が変わったからなのでしょう。そういう風に時間をかけて向き合うよりも、効率を優先したのでしょうか?

じゃあ、もう時代遅れなのか?というと、そうでもないと思います。

こころの世界では効率が全てではないのです。

私は描画も使いますが、描画には少なからず抵抗を示される方がいらっしゃいます。

「あまり絵を描いたことがないから」というのがその理由です(だからこそ、描画が良いと私は考えているのですが、それはまた別の機会に…)。

箱庭は経験の有無を問いません。心理療法を初めて受ける方でしたら、誰にとっても新しい体験です。

そして、同時に子どものころ砂遊びをしたことのある人でしたら、懐かしい体験になる可能性もあります。

まずは砂に触ってみてください。

砂に触ることに抵抗があるのでしたら、棚をながめて、アイテムを手にとってみてください。

置くことに抵抗があるのでしたら、そのアイテムについて話をしてくださってもいいです。

もし何か作りたい気持ちになりましたら、ご自由にどうぞ。

なにか必要がありましたら、お手伝いします。

自分で作りたいものが作れたら、その「感じ」を大切にしてほしいと思います。

時間内に作り終わらなくてもいいのです。

思うようなものができなくても、それはそれで意味のあることだと思います。

砂に触れて、アイテムを見て、あなたのこころが動くことが大切なのです。

ですから、気持ちが乗らなければ、それはそれで良いのです。無理はしないこと。

 

よく、作品を作ったあとに「これで何かわかりますか?」と尋ねられることがあります。

「先生、診断を」と言われたことも。そういう気持ちも沸きおこることがあるでしょう。

でももっと大切なのは、つくる作業のなかで動いたこころのありようなのだと思います。

それをつくった方と見守り手の私とで共有できるといい、と思っています。

2018年11月25日 (日)

100まんびきのねこと1ぴきのねこ

我が家には猫がいます。

道で拾った猫です。

妹と一緒に面接室の契約をして、鍵を受け取り、部屋に行くときに、見つけました。

道端の、それもごみ収集箱の前で、日なたぼっこをしていました。

痩せていて、右目は既になく、左目も白濁していて、風邪もひいているようでした。

しかしその猫は「それが一体どうかしましたか?」とでも言う様子で、日なたで温まっていました。

「変わった子猫だなあ」と思いました。普通、猫は体調が悪いと、どこかに隠れているものです。

他方で、目が悪くて、風邪をひいていると、どのみち命があぶないとも思いました。

帰り道、同じ道を通ると、まだいました。

抱いても、逃げませんでした。

そこで、保護して家に連れてきました。

たったそれだけでした。

一緒にいた業者の人は私たちに「優しいんですね」と言いましたが、この猫に特別優しくしてあげるつもりはありませんでしたし(我が家の猫への対応はわりと淡々としています)、この猫のことをとりたてて可愛そうな子猫とも思いませんでした。

ちょっとばかり変わった子だとは思いましたが。

 

 

さて、その日以来、この猫は家にいます。その足で受診をし、風邪は薬ですぐに治りました。

左目はやはりなくて、右目も白く濁ったままです。でも見えないわけではなく、家の中を飛ぶように走り回ります。何か怖い目にあったのか、抱っこは苦手ですが、家では正体なく熟睡するようになりました。時折フフフンと鳴きながら「遊びましょう」と、誘いに来ます。

クッションに顔をうずめて寝ている姿をみて、家族が「かわいいなあ…」としみじみ言います。この猫は「かわいい猫」になったのです。

 

子どものころ「100まんびきのねこ」という童話を読んだことがあります。

美しい猫を100まんびきならぬ一兆匹の猫を拾ってきたおじいさん。もちろんそんなに多くの猫は飼えません。

「一番美しい猫を飼う」というおばあさんの一言で、誰が一番美しい猫かということで戦いが起こります。

最後に残ったのは、何も言わなかった骨と皮の「みっともない」猫。その猫を飼って世話をしたおじいさんとおばあさんは言います、「一番美しい猫」だと。

どうして、そんな猫をおじいさんとおばあさんが美しいと言うのか、子どもの時の私は判りませんでした。

でも今はわかります。猫が美しいからではなく、その猫との間に関係ができたからこそ、その関係のなかで猫が美しく愛らしく目に映るのだということが。

2018年8月26日 (日)

二学期を迎える準備はできていますか

8月も最後の週になりました。夏休みも残すところあと一週間という小中学校が多いと思います。(寒冷地はもう二学期が始まるかもしれません)

 

この頃になると思い出すのは、「宿題終わっていない…」と焦ったり憂鬱になったりした子供の頃こと。私は夏休みの宿題を最後まで残す子どもでした。

最後になって、どこにも出かけられなくなり、母に「だから言ったじゃないの」と小言を言われながら、夜遅くまで起きて宿題をやっていました。…やっていたけれども、捗るほどに気分が乗るわけでもなく、苦手だった感想文は最後の最後まで(本はとっくに読んでいるのに)残し、焦れども焦れども手は進まず…。

 

最近、二学期の始業式に突然欠席する生徒がいます。理由は「宿題が終わっていないから」。

「終わっていなくてもいいから登校しなさい」と言っても頑として登校しません。
担任と延々とやりとりをして、やっと登校できるようになる生徒もいれば、そのまま不登校になってしまう生徒もいます。

特に中学一年生のときに目立ちます。保護者も「中学生になったから宿題は自分でできるだろう」と声掛けをあまりしなくなることがあるようです。

でも、中学生になったから、急に宿題を計画的にできるようになるかというと、答えは「ノー」です。そんなに見通しを立てて行動できる中学生はいません。

 

最後の一週間、新学期に向けて、少しずつ準備をしてください。そのなかで、宿題が全部できているかどうかも、確認してください。もしも出来ていなくても、叱らないでください。

状況を確認して、どうやったらできるか一緒に考えてください。

一か月あまりの期間を計画的に過ごすなんて、中学生にはまだ難しいことなのです。何回も繰り返しながら自分のやり方を見つけていくことが大切だと思います。
最終的に大人になったときに、自分で物事を進めていけるようになれば良いのです。

 

新聞作成や感想文など自由度の高い課題が苦手なタイプはそこで躓いていることがあります。「ちょっと難しいかな」と思ったら、担任に相談してみることをお勧めします。
子どもにひとりで不安を抱えさせないように配慮してくださるようお願いいたします。

 

ゲームやPCなどに夢中になって昼夜逆転がひどくなっている場合も、早めに学校に相談をしてください。「二学期になったら自然に治るだろう」と思っていると、そのまま生活リズムが立て直せず、不登校になってしまう場合があります。場合によっては「スクールカウンセラーに相談したい」と担任に伝えて下さい。

  スクールカウンセラーも新学期に欠席する児童生徒がいないか、心配をしています。

2018年8月12日 (日)

はじめまして、からだとこころの相談室です。

はじめまして。

「からだとこころのケアルーム 南流山」です。

スタッフは、臨床心理士と鍼灸・あんまマッサージ指圧師の姉妹です。

2017年から、南流山で相談室&治療院を開いています。

 

今のところ二人とも、スクールカウンセラーや別の鍼灸院との兼業となっていますので、

南流山のケアルームで活動する時間はそれほど多くありません。

ただ、二人とも、少しずつ活動をこちらに移してくる予定でいます。

どうぞよろしくお願いいたします。


所在地:千葉県流山市南流山3-5-5 アパートメントI・C88 101号室

     *JR常磐線・つくばエクスプレス線 南流山駅より徒歩約3分



開室時間は下記の通りです。

 

「鍼灸ケアルーム 南流山」

開室日  水曜日(13時~16時)

      木曜日(10時~16時)

     第2・第4土曜日(10時~13時)

      1セッション50分 5,000円

      担当:鍼灸・按摩マッサージ指圧師 加藤幸子

      お問い合わせ先:0471-70-2790

「こころの相談室 南流山」

 開室日  金曜日(15時~19時)

       土曜日(9時~15時)*研修や学会等で開室できない時があります。

      1セッション50分 5,000円

      担当:臨床心理士 加藤陽子

      お問い合わせ先:0471-70-2791

(留守番電話になっています、用件をお話しください。折り返しお電話いたします)

 

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